ベニチオ・デル・トロ主演の非情な殺し屋映画「シカリオ」シリーズの名脚本家
テイラー・シェリダンが、スカーレット・ウィッチのリジーとホークアイのジェレミー・レナーを主演に迎えた監督作「ウインド・リバー」(2017年)に続けて、メガホンをとった「わたしの死を願う者たち」は…
政財界の大物が絡んだ巨悪の不正を暴こうとした父を暗殺者によって殺されたばかりか、自分の命も狙われている少年コナーとめぐり会った主人公のハンナが、少年の身を守ろうと努めることで、過去の消火活動での失敗のトラウマを乗り越えていくのと同時に、今や身寄りを失って、行き場のない少年が見ず知らずのハンナを信じることで、悲しみを乗り越えて、たくましくなっていく姿をあわせて描いた感動的な人間ドラマを核にした…
テイラー・シェリダン監督らしいハードボイルドなタッチのアクション・スリラー映画の娯楽作に仕上がっていますから、近年の映画と言うよりはマンガに近いようなリアリティ皆無のアクション映画にはウンザリの方や、映画はやっぱり昔のほうが面白かった…と、20世紀の終わり、つまり、80年代から90年代にかけての映画は、いまのように複数の作品が複雑に絡んで、世界観を形作っていく…とかもなく、それぞれの作品の独立した物語を疑似体験として楽しむ映画本来のシンプルさがよかった!!などとお考えの方は納得できそうな90年代のアメリカ映画の懐かしい趣きをあわせ持った「映画らしい映画」となっています…!!とは言え…、
映画ファンが必ずしも観ておかなければならない作品ではありませんが、もし約1時間40分の鑑賞時間を費やす余裕があるのであれば、少年コナー役を演じた子役のフィン・リトルくんの名演技に応じたハンナ役のアンジーの存在感をお楽しみになられるのは時間の無駄使いにはならないと思いますし、前述の「シカリオ」は本当に息を呑むスゴい映画だったし、「ウインド・リバー」も傑作だったが、この「
わたしの死を願う者たち」は、むしろ愛着を抱いて、好きになれるアメリカ映画のよいお手本であり、あぁ、映画って面白いなぁ…と素直につぶやいて、映画を観る意味を再確認できるような作品だと知っておいてもよいかもしれません…!!
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