Weekend Box Office 💰 November 1 - 3, 2024 : 11月1日~3日の全米映画ボックスオフィスTOP5


*各数字は週末成績-(公開館数/平均売上げ)-トータル成績。題名の後の()は概算の製作費です。
映画の鑑賞価値を推し測る参考の RT/MC の数値は、初めてランクインした時点での値です。

大谷翔平選手の人気に支えられたプロ野球の頂上決戦のワールド・シリーズに動員の足を引っぱられた…の事情もあったとは言え、ついに完結編!!なのにシリーズ最低の封切り成績を記録した…

第1位 (1) 「ヴェノム: ザ・ラスト・ダンス」(1億2,000万ドル)

$26,100,000−(4,131館/$6,318)−$90,047,000


RT の評論家の支持率 36 % / Metacritic スコア 41 / 出口調査の CinemaScore B-

「ヴェノム 3」の「ザ・ラスト・ダンス」の心配された公開2週めの集客減は5割を切った約−49%ですから、前作「レット・ゼア・ビー・カーネイジ」(2021年)の約−65%、第1作め(2018年)の約−56%よりも動員を維持している…という良い意味において、期待を裏切った動員ぶりだけに…


先週は野球観戦だったファンが、この週末にやって来たか…といった感じですが、しかし、それ…

…でもいまだ、国内の成績の総額は大台の1億ドルに達しておらず、前2作のどちらも公開2週めには約1億4,000万ドル以上を稼いでいたのと比べると、やっぱりもう、以前ほどの勢いはないなぁ…

…と言われても仕方がないため、集客減を半減以下に抑えた…とは言え、あまり評価されないかもしれませんね…。


第2位 (3) 「ザ・ワイルド・ロボット」(7,800万ドル)

$7,550,000−(3,231館/$2,337)−$121,476,000

RT の評論家の支持率 98 % / Metacritic スコア 85 / 出口調査の CinemaScore A


第3位 (2) 「スマイル 2」(2,800万ドル)

$6,800,000−(3,235館/$2,102)−$52,687,000

RT の評論家の支持率 84 % / Metacritic スコア 67 / 出口調査の CinemaScore B


第4位 (4) 「コンクレイヴ」(2,000万ドル)

$5,300,000−(1,796館/$2,951)−$15,222,000


RT の評論家の支持率 92 % / Metacritic スコア 79 / 出口調査の CinemaScore B+

先週の初公開の封切り成績が、たったの約660万ドル…と、けして大きな数字ではなかった…の事情に加えて、観客がアラフォーから50代以上の大人ばかりだけに、封切り興行に焦って、駆けつけたりはせず、それぞれのペースで、徐々に映画館にやって来る…という動員の傾向、そして…、


ついに次の火曜日の11月5日が大統領選挙の投票日ですから、キリスト教会における大統領と言えそうな法王を選ぶ選挙をめぐる聖職者たちのスキャンダラスな内幕を描いた「選挙の映画」の…

「コンクレイヴ」が、2週めの集客減をたったの約2割以下に抑えた健闘ぶりとなっています…!!


第5位 (初) 「ヒア」(5,000万ドル)

$5,000,000−(2,647館/$1,889)−$5,000,000

RT の評論家の支持率 35 % / Metacritic スコア 41 / 出口調査の CinemaScore B-

マイケル・ダグラス(「アントマン」シリーズ)とキャスリーン・ターナー(「私がウォシャウスキー」1991年)が共演した「ロマンシング・ストーン」(1984年)や、マイケル・J・フォックス(「摩天楼はバラ色に」1987年)とクリストファー・ロイド(「ノーバディ」シリーズの第2作めが来年2025年8月全米公開)が迷コンビを組んだ「バック・トゥ・ザ・フューチャー」トリロジーなどで知られるほか…、


ベテランの映画ファンの方には初期の傑作のナンシー・アレン(「キャリー」1976年)がメイン・キャストの「抱きしめたい」(1987年)や、カート・ラッセル(「潮風のいたずら」1987年)と故ジャック・ウォーデン(「チャンス」1979年)が共演した「ユーズド・カー」(1980年)が好まれる映画史上最高の創り手のうちのひとりのロバート・ゼメキス監督が…、


リチャード・マクガイア作のたった6ページだけのすごくショートの同名短篇コミック(1989年)を長編化した同名のグラフィック・ノベル(2014年)をもとにして、ゼメキス監督の数ある代表作のなかでも最も大ヒットして、社会現象レベルのブームを巻き起こした「フォレスト・ガンプ」(1994年)の脚本家のエリック・ロス(ヴィルヌーヴ監督の「デューン」2021年)と組んだ…

…どころか、「フォレスト・ガンプ」の主人公フォレスト・ガンプのトム・ハンクスと「フォレスト・ガンプ」のヒロインのジェニーのロビン・ライト(「ワンダーウーマン」シリーズ)たちを主演に迎えて…と、つまり「フォレスト・ガンプ」の創り手たちと役者たちがあらためて集った!!


…と言われると期待せずにはいられない「ヒア」あるいは「ヒヤ」、つまり「ここで」を全米公開した配給のソニピ、つまりトライスターが公表した封切り成績は製作費の約5,000万ドル超に対して、たったの約500万ドルだけ…という「フォレスト・ガンプ」とは正反対のまったくガッカリ…の結果となっています…。ひとつの場所だけ、つまり「ここで」だけの限定された土地での移り変わりの歴史上の出来事を追っていく…という演劇めいた設定の実験映画に取り組んだ挑戦心は評価できるものの、映画の醍醐味のひとつの動きは欠いてしまう定点カメラの映画に今どきのフツーの観客が興味を抱くわけもなく…、


55歳以上の観客が封切り興行の半数を占める…ですから、先にふれた「ロマンシング・ストーン」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」どころか「抱きしめたい」や「ユーズド・カー」も初公開の封切り時に映画館で観た世代のベテランの映画ファンばっかりか…と解釈できる「ここで」…

…を観ようと思ったのは?!の質問に対して、約7割に近い観客がトム・ハンクス主演作だから…と答えたのを踏まえると、観客の約7割が「ここで」を支持している…の出口調査の結果はあまり信頼できず、「ここで」を優れた作品だと高く評価した観客の割合いとしては、まったく少数派の約1割を切ってる…ことのほうが参考になりそうですから、9割以上の観客は退屈に思ったらしい…と承知すれば…、

製作費の約5,000万ドル超に対して、その約1割の約500万ドルだけ…の封切り成績も皮肉に納得できそうかもしれません…?!


🍿映画鑑賞料金は昔は、どの作品も同じ横並びが、今は例えば、話題の大作は IMAX や 4DX 上映もあるなど、つまり顧客単価の複雑化が進み、小品が動員で勝っても、興行成績の数字では大作を上まわることができない場合もあり得るため、ランキングの順位が興行の成否や人気を示しているとは限らず、配信の事情も影響しますから、あくまで、ひとつの目安として、受けとめて下さい。

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