Weekend Box Office 💰 December 8 - 10, 2023 : 12月8日~10日の全米映画ボックスオフィスTOP5


*各数字は週末成績-(公開館数/平均売上げ)-トータル成績。題名の後の()は概算の製作費です。
映画の鑑賞価値を推し測る参考の RT/MC の数値は、初めてランクインした時点での値です。

今年2023年のアメリカ映画界の最も大きな出来事は、俳優と脚本家の両組合のストライキが長期化して、映画やドラマの製作が、ほとんどストップした金銭闘争をめぐる罵りあいの恥さらしですから、その内輪もめのツケがまわってきて、ハリウッドの映画スタジオから映画館への新作の供給が減ってしまった…

…と、つまり早い話が上映できる新作映画がないから、過去の人気作「ダイ・ハード」(1988年)や、「ラブ・アクチュアリー」(2023年)などをひっぱり出してのリバイバル上映や、外国の映画に頼ることに…という全米映画興行の致し方ない事情が背景にあるわけですが、それにしても…、

第1位はスタジオジブリの宮崎アニメ、第2位は故深作欣二監督の東映映画「バトル・ロワイアル」(2000年)が元ネタの「ザ・ハンガー・ゲームズ」、第3位は東宝が自ら全米公開した「ゴジラ」と、トップ 3 が日本のカルチャーですから、これでは全米の興行ランキングではなく、日本のランキングみたいじゃないか…といった日本祭りのジャパン・ウィークエンド?!で…、

第1位 (初) 「ザ・ボーイ・アンド・ザ・ヘロン」(???万ドル)

$12,836,313−(2,205館/$5,821)−$12,836,313


RT の評論家の支持率 96 % / Metacritic スコア 92 / 出口調査の CinemaScore A-

「オタクの聖地」として、北米のオタクに崇められる「オタクの神の国」の神々のひとりの宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」を「ザ・ボーイ・アンド・ザ・ヘロン」つまり「少年とサギ」と題して、全米公開した配給の GKIDS が公表した封切り成績は約1,284万ドルでした…!!


いわゆる「ミヤザキ・アニメ」として、これまでに北米で最もヒットしたのは、同監督がシナリオを手がけ、米林宏昌監督がメガホンをとって、2012年春に全米公開された「アリエッティ(借りぐらしのアリエッティ)」が稼いだ約1,919万ドル、その次は宮崎駿監督自身がメガホンをとった「Ponyo」は「ポンヨ」じゃなくて、「ポニョ」だってば…!!の「崖の上のポンヨ」(2009年)の約1,509万ドル、そして、第3位は映画史上の名作のなかの名作のひとつに位置づけられる「スピリテッド・アウェイ」つまり「千と千尋の神隠し」(2002年)の約1,005万ドルですから…、

封切り成績だけで約1,284万ドルを稼いだ「少年とサギ」が、「アリエッティ」「ポンヨ」「スピリテッド・アウェイ」の前述のそれぞれの最終的な成績を超えて、新たに「ミヤザキ・アニメ」=スタジオジブリの北米での最大ヒット作に発展するのはもう間違いないはずです!!、ただし…、

東西2大都市のニューヨークでもロサンゼルスでもなく、なぜか、ボストンの映画館で最もヒットしている「少年とサギ」は、18歳から30代半ばの青年層の観客が約8割を占め、出口調査のスコアは “ A- ” の絶賛ながら、周囲に鑑賞を薦めるかとなると、その割合はやや低めの60%ちょっとですから、口コミにもとづいて、成績を大きく伸ばすことは期待できそうにないため…、


「ザ・バットマン」シリーズのロバート・パティンソン、「ザ・ダークナイト」トリロジーのクリスチャン・ベール、ブラック・ウィドウのフローレンス・ピュー「キャプテン・マーベル」シリーズのジェンマ・チャンあるいは「エターナルズ」シリーズのジェンマ・チャン、元ジェダイの騎士のマーク・ハミル、「デューン」シリーズのバティスタ、それから、「ザ・ボーイズ」の凶暴なキミコとして、北米のオタク・ファンに人気の福原かれんさんといった豪華なボイス・キャストを集めまくった「少年とサギ」は…、

「ミヤザキ・アニメ」の最大ヒット作にはなっても、人気においては「マイ・ネイバー・トトロ」(1988年)や「キキ'ズ・デリバリー・サービス」(1989年)を超えることはなさそうですね…。



$9,400,000−(3,665館/$2,565)−$135,655,926

RT の評論家の支持率 61 % / Metacritic スコア 53 / 出口調査の CinemaScore B+


第3位 (3) 「ゴジラ・マイナス・ワン」(1,500万ドル以下)

$8,342,710−(2,540館/$3,285)−$25,344,044

RT の評論家の支持率 97 % / Metacritic スコア 79 / 出口調査の CinemaScore A

ハリウッド版「ゴジラ」の最新作「ゴジラ x コング: ザ・ニュー・エンパイア」(2024年春4月12日全米公開)がリリースした予告編の記事を作らなくっちゃ…!!と思いつつ、その予告編に対する北米のゴジラ・ファンのリアクションが当然、期待をするエキサイトの声はあったものの…、


「ゴジラの新作の…あ…えっと…マイナス・ワンなんだけど…」と、バービー化?!して、ピンクになった「アメリカのゴジラのピンキー・ゴジラちゃん」は、そっと見なかったことにして、それよりも「日本の本物のゴジラ」のほうに注目しよう…!!


…の不満の声が少なくなかったため、記事を作るヤル気を失ってしまいましたが、そのアメリカの観客が、ゴジラ抜きでもよい映画!!とゴジラとは無関係に大絶賛の「マイナス・ワン」は…、


冒頭のようにアメリカ映画の新作が少ない…の事情もありますが、上映期間の延長が決まり、スクリーンの数が約232館も増えたことで、先週と同じ第3位をキープ!!です。公開2週めの時点での売り上げは約2,533万ドルですから、怪獣ではなく、恐竜が大暴れ!!を売りにして、今春に話題になったアダム・ドライヴァー主演の「65」の最終的な成績の約3,206万ドルは超えるのでは…?!


第4位 (4) 「トロールズ・バンド・トゥギャザー」(9,500万ドル)

$6,200,000−(3,451館/$1,797)−$83,081,775

RT の評論家の支持率 60 % / Metacritic スコア 53 / 出口調査の CinemaScore A


第5位 (5) 「ウィッシュ」(2億ドル)

$5,300,000−(3,410館/$1,554)−$49,412,846

RT の評論家の支持率 50 % / Metacritic スコア 48 / 出口調査の CinemaScore A-


🍿映画鑑賞料金は昔は、どの作品も同じ横並びが、今は例えば、話題の大作は IMAX や 4DX 上映もあるなど、つまり顧客単価の複雑化が進み、小品が動員で勝っても、興行成績の数字では大作を上まわることができない場合もあり得るため、ランキングの順位が興行の成否や人気を示しているとは限らず、配信の事情も影響しますから、あくまで、ひとつの目安として、受けとめて下さい。

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